小児近視抑制治療
小児近視抑制治療
アトロピンは非選択的ムスカリン受容体阻害薬です。わかりやすくいえば自律神経系を交感神経優位(自動車で言えばアクセルを踏んだ状態)にする薬剤です。例えば心拍数や血圧を上げたり、消化管の運動を抑制したりするなどです。眼科的には瞳孔が散瞳し、調節が麻痺(ピントが合わせられない)状態になります。このような作用がなぜ近視抑制効果に至るかは現在のところ明確には証明されてはいません。 アトロピン点眼による近視抑制治療研究は19世紀からですが、シンガポールで行われたれた試験(ATOM-1)で、1%アトロピン点眼に近視抑制効果が認められました。しかし、点眼中止後のリバウンド(近視が進行してしまう)や点眼中のまぶしさ(瞳孔が開いたままなので)がネックとなり、その後アトロピン濃度を0.1%, 0.5%, 0.01%, 0.05%, 0.025%と変えて臨床試験を行い、ATOM-2試験では50%の近視抑制、日本で行われたATOM-J試験ではでは既報よりはやや効果が落ち、15%の近視抑制効果を認めました。
厚生労働省は2026年6月より、近視の進行を抑える目薬を使用する際の診察・検査費用を公的医療保険の対象とする方針(選定療養の枠組み)を示しました(薬剤費を除く負担が軽減されます)。
近視が治るわけではなく、近視の進行を抑制する可能性がある治療です。 点眼は開始時期にもよりますが2年間、可能であれば近視進行の可能性のある中学生まで使用することをお勧めします。
オルソケラトロジーは、就寝中に専用のハードコンタクトレンズを装用し、角膜の形を一時的に整えることで、日中の裸眼視力を改善する近視矯正治療です。
朝起きてレンズを外すと、日中は眼鏡やコンタクトレンズなしで過ごしやすくなることが期待できます。
就寝中にレンズを装用し、朝に外すため、日中は裸眼で生活しやすくなります。
レーシックなどの手術とは異なり、レンズ装用を中止すると角膜の形は徐々に元に戻ります。
オルソケラトロジーは、近視矯正だけでなく、小児の近視進行抑制を目的として選択されることがあります。
安全に続けるためには、レンズの状態、角膜の状態、視力の安定性を定期的に確認する必要があります。
1. 適応検査
視力検査、屈折検査、角膜形状解析、眼の健康状態の確認を行います。
角膜の形や近視の度数によっては、オルソケラトロジーが適さない場合があります。
2. レンズ選定・装用練習
患者さんの眼に合わせたレンズを選び、装用・取り外し・洗浄方法を練習します。
お子さまの場合は、保護者の方にも管理方法をご説明します。
3. 装用開始
就寝中にレンズを装用します。
効果の出方には個人差があり、開始直後は見え方が安定しないことがあります。
4. 定期検査
装用開始後は、眼の状態をこまめに確認します。
その後も定期的な通院が必要です。
オルソケラトロジーは自由診療です。
健康保険は使用できません。
初回検査費用、レンズ費用、定期検査費用、ケア用品費用などが必要になります。
詳しい費用はこちらを参照ください。
MiSight® 1 day(マイサイトワンデー)は、近視を矯正するとともに、近視の進行抑制を目的として開発された1日使い捨てソフトコンタクトレンズです。
近年、近視の進行により将来的な眼疾患リスクが高まることが知られており、お子さまの近視進行をできるだけ抑えることが重要視されています。
当院では、お子さまの眼の状態や生活スタイルに合わせて、MiSight® 1 dayを含む近視進行抑制治療をご提案しています。
詳しくはこちらを参照ください。
毎日新しいレンズを使用するため、洗浄や保存が不要です。
衛生的に使用でき、レンズケアの負担を軽減できます。
特殊な光学設計により、近視を矯正しながら近視進行抑制効果が期待されています。
起きている時間帯に装用します。
夜間装用は必要ありません。
やわらかい素材のため、多くのお子さまが比較的スムーズに慣れることができます。
1.適応検査
視力検査、屈折検査、角膜や眼の状態を確認します。
2.レンズ装用練習
装用方法や取り外し方法を練習します。
お子さまだけでなく、保護者の方にも管理方法をご説明します。
3.治療開始
適切な装用時間を守りながら使用していただきます。
4.定期検査
視力や近視進行の状態、眼の健康状態を確認します。
多焦点ソフトコンタクトレンズは通常のコンタクトレンズ処方と同様の保険診療です。
コンタクトレンズ費用は別途必要です。
コンタクト価格 6,500円 (税込) (1箱30枚入)
